マイクロアレイ血液検査では、末梢血液細胞の遺伝物質(m-RNA)が癌細胞に反応する状況を測定、解析することにより、消化器癌の有無と疾患部位の判定を行います。
体内で癌細胞が発現・活性化すると、末梢血液細胞中に癌攻撃のために特異的なm-RNAが反応・発現します。 m-RNAの発現プロファイルを捉え、解析することで、消化器癌の判定を行います。
遺伝子(DNA)、mRNA、タンパク質を測定する検査はそれぞれ異なる。
感度98.5%となった臨床症例では、その半数がステージⅡ以下であり、膵臓癌を含む消化器癌を早期診断できる可能性を含んでいる。
臨床症例の内訳
結果は3つの解析からなり、まず①2665種のRNA発現量の変動、②21種のRNA発現量の変動から総合的に判定し、③胃・大腸、脾臓、胆道の癌の有無の判定を行い、最終的な判定を行います。
報告書イメージ※陽性例の場合
測定に際し、下記条件をご理解ください。
1.がんの進行度は分かりますか?
いいえ、マイクロアレイ血液検査では、がんの進行度の判別はできません。
2.大腸や胃のポリープは陽性となるのでしょうか?
ポリープがある方は、一部の遺伝子に反応が出る場合があります。
医師の診断のもと、内視鏡や画像診断などの精密検査を受けられることをおすすめします。
3.消化器がんの手術後に経過観察として受診できますか?
いいえ、消化器がんの場合、手術後に治癒と判断されていてもマイクロアレイ血液検査で、 陽性反応が出る場合があります。他の検査で経過観察をすることをおすすめします。
4.マイクロアレイ血液検査で転移がんは評価されますか?
評価は原発性がんの性質が反映されますので、消化器がんの転移は陽性、消化器への転移がんは陰性と判断される可能性があります。
5.受診に際し注意する点はありますか?
副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤、抗がん剤、生物学的製剤(インターフェロン、ワクチン、血液製剤、インフリキシマブなど)の薬剤を投与されている方は、判定結果に影響が出る場合がありますので、受診をおすすめしておりません。
※ワクチンは、投与から2週間後であれば受診可能です。
また、評価している発現遺伝子の25%が免疫系にかかわるものであるので、 自己免疫疾患 (特に消化器系に関するクローン病や潰瘍性大腸炎)で擬陽性になる場合があります。