物忘れ外来|「年のせい」と決める前に。認知症は早期発見・予防が大切|尼崎・塚口
この記事の執筆者 森川 髙司(もりかわ たかし)|医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長・院長
内科医。約30年にわたり地域の内科診療に従事。当院は認知症相談医療機関であり、理事長は厚生労働省の定めるかかりつけ医認知症対応力向上研修を修了。生活習慣病の管理から在宅医療まで、認知症の早期発見・予防を地域で支える。
「最近もの忘れが増えた」「親の様子が少し変わった気がする」——そんなときは物忘れ外来へ。尼崎・塚口の森川内科クリニックは認知症相談医療機関として、もの忘れの原因を丁寧に評価し、早期発見・予防をサポートします。
まず結論:もの忘れは「年のせい」と決めず、早めの相談が大切です
要点は3つです。
- 1
加齢によるもの忘れと、認知症によるもの忘れは異なります。日常生活に支障が出るなら専門的な評価を。
- 2
認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の段階で対策すれば、発症を防いだり遅らせたりできると分かっています。
- 3
大切なのは発症後の治療より、発症前の予防。当院は認知症相談医療機関として、早期発見・予防を支えます。
こんな症状はありませんか?
結論:次のような変化が増えてきたら、一度ご相談ください。
- 同じ話を何度も繰り返す/約束をよく忘れる。
- 最近の出来事を思い出せない/置き忘れ・しまい忘れが増えた。
- 知っている人や芸能人の名前が出てこない。
- 複雑な料理や家事ができなくなった/重要な予定を忘れる。
- 時間や場所の感覚が鈍る/些細なことで怒りっぽくなった、やる気が出ない。
もの忘れ外来とは?
結論:記憶や認知機能の低下に悩む方のための専門外来です。
年齢を重ねれば誰しも「もの忘れ」を経験しますが、それが日常生活に支障をきたす場合や、周囲から心配される場合には、専門的な診察が役立ちます。医師が一人ひとりの症状を丁寧に評価し、必要に応じた検査・治療を行うことで、早期介入が可能になり、認知症の進行を防ぐサポートができます。
「ただのもの忘れ」と「認知症」はどう違う?
結論:日常生活への影響と、進行性かどうかが分かれ目です。
- 加齢によるもの忘れ:鍵の置き場所や人の名前を忘れるなど。日常生活に大きな影響はなく、ヒントで思い出せることが多い。
- 認知症:記憶に加え、思考力・判断力・コミュニケーションなど複数の認知機能に障害が及び、進行性で、日常生活に深刻な支障をきたす。早期の診断と介入が重要。
受診すると、どんなことをするの?
結論:問診から検査、治療・サポートまで、段階的に進めます。
- 1
初診評価:病歴・生活環境・家族歴などをお伺いし、心身の状態を確認します。
- 2
認知機能検査:記憶力や判断力を測る専門的なテストで、程度や原因を把握します。
- 3
必要な検査:血液検査や画像検査(CT/MRI)などで、ほかの病気との鑑別を行います。
- 4
治療とフォローアップ:診断に基づき治療計画を立てます。薬物療法のほか、生活習慣の見直し、認知リハビリ、家族支援も大切な要素です。
- 5
相談・サポート:ご本人・ご家族の不安に丁寧にお答えし、必要に応じて専門機関や地域の支援サービスをご紹介します。
軽度認知障害(MCI)とは?早期発見がなぜ大切?
結論:MCIは健常と認知症の中間の段階で、ここでの対策が将来を左右します。
日常生活に支障はないものの、そのまま過ごすと約5年で半数以上が認知症に進行するといわれます。一方で、MCIの段階で適切な予防や治療を行えば、認知症の発症を防いだり遅らせたりできることも分かってきています。最も多いアルツハイマー型認知症では、発症の約20年前から原因物質であるアミロイドベータ(Aβ)が脳に溜まり始めるとされ、早く気づくほど対策の幅が広がります。
MCIスクリーニング検査とは?
結論:採血で、アルツハイマー型認知症の前段階であるMCIの“リスク”を統計的に調べる検査です。
血液中の特定のタンパク質の量を調べ、リスクをA〜Dの段階で判定します。検査は採血のみで、結果は約2〜3週間後に来院して説明を受けます。
この検査はリスクを評価するもので、確定診断ではありません。診断は、診察・認知機能検査・画像検査などの臨床評価を組み合わせて行います。結果にかかわらず、生活習慣の改善で予防に取り組むことが大切です。
認知症は予防できる?
結論:認知症は生活習慣病のひとつとされ、生活習慣の改善が予防につながります。
「自分はまだ大丈夫」と思っているときこそ、対策の始めどきです。
| 項目 |
ポイント |
| 運動 |
有酸素運動がおすすめ |
| 食事 |
バランスの良い食事(野菜・青魚・良質な油など) |
| 趣味 |
旅行・料理・音楽など、楽しめる趣味を持つ |
| 睡眠 |
日中働いた脳を、夜にしっかり休める |
| 生活習慣病の管理 |
肥満・糖尿病・高血圧などはリスクを高めるため、しっかり管理する |
認知症リスクを高める生活習慣病の管理について
フレイル予防について
物忘れを引き起こす病気には、何がある?
結論:認知症にはいくつかのタイプがあり、また“治療で改善しうる”原因もあります。
後者を見逃さないことが、物忘れ外来の大切な役割です。
認知症の主なタイプ
- アルツハイマー型認知症:最も多いタイプ。記憶障害から始まり、思考力・判断力が徐々に低下する進行性の認知症。
- 血管性認知症:脳梗塞・脳出血など脳血管の障害で起こる。高血圧・動脈硬化が背景。症状は段階的に進むことが多い。
- レビー小体型認知症:実際にないものが見える「幻視」、日による調子の変動、パーキンソン症状などが特徴。
見逃してはいけない“治療できる”原因の例
次のような病気は、適切な治療でもの忘れが改善することがあります。だからこそ、原因をきちんと調べることが重要です。
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血):突然の片側の麻痺・言葉の障害などは緊急。早期治療が回復を左右します。
- 正常圧水頭症:歩行障害・認知機能低下・尿失禁が特徴。手術で改善することがあります。
- 慢性硬膜下血腫:頭部打撲のあとなどに起こり、手術で改善しうる。
- 甲状腺機能低下症・ビタミンB12欠乏:血液検査で分かり、治療で改善しうる。
- うつ:意欲低下や集中力の低下が、もの忘れのように見えることがある。
睡眠と認知機能の関係(睡眠時無呼吸症候群)はこちら
当院の物忘れ外来の特長
- 認知症相談医療機関であり、理事長はかかりつけ医認知症対応力向上研修(厚生労働省の定める研修)を修了。
- 内科として、認知症リスクに関わる生活習慣病(高血圧・糖尿病など)も併せて管理できる。
- 必要に応じて、専門機関・地域の支援サービス、在宅医療へとつなぐ連携体制。
今日からできること
- 「年のせい」と決めつけず、気になる変化はメモしておく(いつ・どんな場面か)。
- ご家族の変化に気づいたら、責めずに、一緒に受診を提案する。
- 運動・バランスの良い食事・睡眠・趣味など、できる予防から始める。
- 高血圧・糖尿病などがある方は、生活習慣病の管理を続ける。
まとめ
もの忘れは「年のせい」と思われがちですが、認知症の早期サインだったり、治療で改善できる病気が隠れていたりすることもあります。大切なのは、早く気づいて相談すること、そして元気なうちから予防に取り組むことです。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
もの忘れが気になったら、お気軽にご相談ください
森川内科クリニック(医療法人煌仁会)
- お電話:06-6439-7337/再診・初診のWeb予約も承っています。ご家族だけのご相談も歓迎です。
- 所在地:兵庫県尼崎市上坂部1丁目4の1 ミリオンタウン塚口2階(万代2階・駐車場無料)。JR塚口駅から徒歩3分。
- 日曜も診療(受付10:00〜13:00)。木・金は夜20:00まで受付。
よくあるご質問(FAQ)
- Q1. ただの加齢のもの忘れと、認知症の違いは何ですか?
- A. 加齢のもの忘れは日常生活に大きな影響がなく、ヒントで思い出せることが多いです。認知症は記憶に加え判断力なども低下し、進行性で日常生活に支障をきたします。心配なときは専門的な評価が役立ちます。
- Q2. 何科に相談すればいいですか?家族だけでも相談できますか?
- A. 内科の物忘れ外来でご相談いただけます。当院は認知症相談医療機関です。ご本人が受診をためらう場合など、まずはご家族だけのご相談も歓迎しています。
- Q3. 軽度認知障害(MCI)とは何ですか?
- A. 健常と認知症の中間の段階です。日常生活に支障はありませんが、対策をしないと数年で認知症に進む場合があります。MCIの段階で対策すれば、発症を防いだり遅らせたりできることが分かってきています。
- Q4. MCIスクリーニング検査で認知症かどうか分かりますか?
- A. この検査はリスクを統計的に調べるもので、確定診断ではありません。診断は、診察・認知機能検査・画像検査などの臨床評価を組み合わせて行います。
- Q5. 認知症は予防できますか?
- A. 生活習慣の改善が予防につながるとされています。運動・バランスの良い食事・睡眠・趣味に加え、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理が大切です。
- Q6. もの忘れは治ることがありますか?
- A. 原因によります。正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫・甲状腺機能低下症・ビタミン欠乏・うつなど、治療で改善しうる原因もあります。だからこそ、原因をきちんと調べることが重要です。