診療のご案内 フレイルについて

フレイルとは年をとって体や心のはたらき、社会的なつながりが弱くなった状態をさします。
そのまま放置すると、要介護状態になる可能性があります。

フレイルとは、「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す“frailty”の日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語です。
フレイルは、要介護状態に至る前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性のみならず精神・心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味します。

参考:厚生労働省「高齢者のフレイル予防事業」

フレイル予防の3つのポイント

フレイル予防の3つのポイントは栄養、身体活動、社会参加です

身体活動

歩行であれば1日5,000歩以上、ある程度負荷のかかる活動であれば1日8分以上行うことを目安として、座りがちな生活にならないように

社会参加

社会参加の例
趣味、スポーツ、習い事、ボランティア、地域のイベントなど

食事で フレイル予防

Point 1 1日3食しっかり食べる

食事を抜いていたり、1回の食事量が落ちていたりしませんか?
1回の食事量を十分にとれない場合は、間食を上手に活用しましょう(Point③を参照)

Point 2 偏らずに食べる

体に必要な栄養素を食事からとるためには主食・主菜・副菜をそろえた食事が好ましいです。

主食

ご飯、パン、麺類など

炭水化物が多く、エネルギー源となる

主菜

肉、魚、卵、大豆製品など

たんぱく質が多く、体を作るもとになる

副菜

野菜など

ビタミン、ミネラルが多く体の機能の調節に関わる

一つのグループに偏って食べていませんか?
料理が大変なときは市販の総菜や缶詰なども活用してOKです。ひとつの食材に偏らず、いろいろな食材を食べましょう。

Point 3 たんぱく質が不足しないように

たんぱく質は体をつくるもととなる栄養素です。

たんぱく質の摂取が少なくなると高齢者は筋肉が衰えフレイルに陥りやすく、運動・認知機能が低下しやすくなります。高齢の方はより一層たんぱく質を含む食品をとることが大切です。

また、海外の研究では、高齢者にとって、筋肉量に対して十分なタンパク質を摂取するために、1日3食の食事全体に均等に振り分けるのが理想的という報告もあります。

*詳細なたんぱく質の目標量については栄養相談にて管理栄養士までご相談ください。

いつもの食事にたんぱく質をちょい足し例:朝ごはん

トースト ハムチーズトースト
ゆで卵 ゆで卵
サラダ ツナサラダ
コーヒー 牛乳を足してカフェラテに
ご飯 納豆ごはん
だし巻き卵 牛乳を足して卵焼きに
味噌汁 豆腐の味噌汁

間食の ポイント 3食の食事以外で 口にするもの

タンパク質を多く含む食品を取り入れる

例:おかき、おせんべい、和菓子など ⇒ ヨーグルトやチーズを使ったものにかえる
コーヒー ⇒ 牛乳や豆乳を足してラテにする

1回の食事量が十分に取れない場合は軽食という形で間食を取り入れる

例:野菜サンドウィッチなどたんぱく源の入ったものを選びましょう

口腔ケアでフレイル予防

オーラルフレイルとは、噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることを指し、早期の重要な老化のサインとされています。

噛む力や舌の動きの悪化が食生活に支障を及ぼしたり、滑舌が悪くなることで人や社会との関わりの減少を招くことから、全体的なフレイルとの深い関係性が指摘されています。